

重力波とは
この世の中は時間と空間の四次元でできています(もっと高次元でないと説明できないという話もありますが、とりあえず四次元までで考えます)。時間の進み方はどこも同じというわけではありません。ある地点での時間の進み方は、その周りにどれだけ重い物が存在するか(=「重力場」の強さ)で変わります。そのため、重力場のことを「時空」とも呼びます。周りに重い物がなければ時空は平坦で、重い物があれば時空は歪みます。周りにある重い物が動くと時空の歪みも変化します。プールでバタ足をすると水面が上下し、波として伝わっていくのと同じように、時空の歪みも波として伝わることができます。これが「重力波」です。アインシュタインが一般相対性理論に基づいて理論的に存在を示した重力波は、2015年にアメリカのLIGO(らいご)望遠鏡により観測されました。重力波を観測することで、ブラックホールのような光では見えない天体の様子を知ることができ、まだ分かっていない重力や宇宙に関する知識を得ることができると期待されています。
© Somiya Laboratory, Tokyo Institute of Technology