

ASPIREとは
ASPIREは科学技術振興機構JSTが2023年度に立ち上げた国際交流プログラムです。我々はその第1期生で、オーストラリアと重力波望遠鏡のための量子制御技術の開発を進めています。このプログラムの目的の一つは、若手人材の育成です。日本の高校生や大学生には、国内にとどまらず、広く国際社会で活躍してもらいたいと考えています。重力波望遠鏡の開発を通じて、その手助けができればと思っています。オーストラリアで研究をしていると、さまざまな面で日本との違いを感じます。まず、とてものんびりしています。卒業と就職の間に半年ほどの空白期間があったりして、人生についてゆっくり考える(?)時間があるようです。次に、楽しさを重視します。研究発表でも、自分が言いたいことを言うのではなく聴衆を楽しませるために話します。このような特徴は、広大で自然豊かな大地で育ったからというだけではなく、教育システムの賜物だと感じています。大学では、先生やアドミニストレーターが、学生が楽しめるような企画を用意しています。アウトリーチも、大学の宣伝ではなく、子供たちに科学の楽しさを伝えるために本気で取り組んでいます。日本の教育社会がオーストラリアから学ぶことは多いとそう感じています。
© Somiya Laboratory, Institute of Science Tokyo